yomoyama

五条悟と100日後に死ぬ夢主#juju
なんかこういう話がネタ帳に増えてきたので供養

1日目 with七海
「ナマエ知ってる? 七海、じゃがバターに塩辛トッピングするんだよ」
「スタンダードですよ。貴方が物を知らないだけです」
「うん、美味しそう」
「は、マジで言ってる?」
「どうせ悟も食わず嫌いなんでしょ」
「オマエのそのなんでもかんでも一旦肯定すんの異常だよ」
「やってみなきゃ分かんなくない? 砂糖かけても意外と美味しいかもだし。さつまいもでもそういうのありそう」
「あると思いますよ。さつまいもにバターと砂糖。ハズレなしでしょう」
「あ、要はおさつバターか。悟も好きじゃん」
「ちっげーんだよなぁ」
「えー? 分っかんないんだよなぁ」



164日目 with硝子、七海
「ナマエに一度だけ呪いをかけたことがあるんだ」
「呪い?」
「そう。昔、傑がああなった後さ、うら若き僕はナマエに『オマエも辞めんの?』って聞いたわけ。アイツ、昔は辞めたい辞めたい言ってたでしょ。そしたら即答。『ううん』って。あれから辞めたいって言わなくなったもんね。僕のせいなんだ」
「なるほど。ここ数年の言動に合点がいったよ」
「硝子にも言わなかったのね、そういうこと」
「言わないよ、アイツは。酔ったってみんなの幸せのためにーとか聖人君子みたいなこと言ってたからな」
「頑固〜」
「ハッ、オマエにだけは言われたくないだろ」
「理解に苦しみます」
「同感。あの頑固さ、どっから来るんだろうねぇ。それで死んじゃったら世話ないよ」
「貴方は貴方で相変わらず薄情で引きますね。貴方にとってはもう過去ですか。それとも強がり?」
「ははっ。いいね、七海。もっと言ってやれ」
「オマエらホントさぁ〜」
「私たちだけじゃない、みんな引いてるよ。やっぱり人類最強は頭がおかしいってね」
「ナマエがいつか死ぬのなんて覚悟してたよ。弱いから。……じゃがバターにさ」
「なんの話ですか」
「バターがないみたいな、そういう日々が当たり前になるんだろうね」
「……」
「これを機に塩辛にも挑戦しようかな」
「そういうことじゃないでしょう」
「はは」
 そういうことじゃない。きっと、そんなことじゃない。
 何度も否定したくなったが、あまりにも情けない五条さんの言葉に何も言いたくなくなった。何かを飲み下すように半分残ったビールを飲み干すと、家入さんも同じく日本酒をあおった。
「ナマエ、今頃せいせいしてるだろうね。この業界辞められてさ。僕もあやかりたいもんだよ、全く」
 軽い口ぶりで呟く五条さんに、やはり何も言いたくなくなった。何日経っても彼女がまだ生きているかの如く話をする彼を気の毒に思うほど人間はできていない。
 きっちりナマエさんに呪いを返されている五条さんは、きっと今日もナマエさんの部屋に帰るのだろう。ナマエさんだって今頃「分っかんないんだよなぁ、そういうとこ」と笑顔で呆れているに違いない。
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