yomoyama

下書きの救済#juju
以下単行本未収録のネタバレ有り⚠️

五条悟か獄門疆から出てきてから12月24日までは1ヶ月以上あるわけだけど、その間五条悟は諸々を整えていたわけじゃない。自分の死後の諸々を含めて。
そこに際して「自分の跡取りを仕込む」ことも一つ案としてあったのではと思うんだよね。1ヶ月あったわけですから。下卑た言い方だと、種付けというやつ。
で、夢主にそれを提案したと思う。万が一を考えて対応をいくつか考えてると思うので。最早御三家は機能しないかもしれないけど、やっぱり無下限と六眼は今後の保険になるんですよね。例え夢主との子が受け継がなくても、その子にまた子が生まれれば可能性はあると。五条悟にとって孫にあたる人間が生まれる頃、この世は最早荒廃といった様相かもしれないけれどそこに五条悟と同じ条件を持った人間が存在すると言うことはvs呪霊の世界にとってはとんでもないアドバンテージなわけなんですよ。さらにそれが『五条悟の意志を継ぐもの』であれば、余計に。
だから夢主との子どもは希望になり得ると思う。ただ、やっぱりそれはどうしても賭けになる。どの場面においても。でも「自分が宿儺に殺されたあと」を思うと、どうしてもその選択肢は捨てきれないんじゃないかなー。と、思うんだよなー。だって高確率で優秀な人材が手に入るんだもの。五条悟の遺伝子ですよ。相伝でなくてもですよ。
子どもの育成環境についても「ナマエなら」って五条悟は絶対思うじゃん。仮に夢主が途中で死んだとしても、五条悟が育てた仲間たちはまだ生き残る可能性があるしその中で育てられたらまぁ自分の意志はそこそこ引き継がれるだろうと思うでしょ。ある意味で呪いだけれども、そんなことも包含した上で「僕の子どもを生んでほしい」って夢主に頼む五条悟、いると思うんよな私は。メリットデメリット含め全ての可能性を夢主に話した上で、自分の遺言、遺産、忘れ形見としてそれを夢主に託そうとする五条悟……いると思うんよな……以下そういう妄想の残骸👇


「どうする?」
「私に決めさせるの?」
「そりゃそうでしょ。生むのはナマエなんだから」
「もしもの時の希望の光なわけでしょ?それを私に託すの?」
「そりゃそうでしょ。オマエしかいないよ」
「正直重い」
「だろうね」
「悟の言い分も分かるけどね」
「理解が早くて助かるよ」
「理解はね。了承はちょっと、まだ」
「ちなみに周期は?」
「生理?アプリだと……排卵は再来週かな」
「今週までは決めたいところだね」
「……」
「……」
「…………」
「…………何か質問でもある?」
「……悟が、さ」
「うん?」
「勝ったらさ」
「うん」
「三人で暮らせるんだよね」
「……いいの?」
「まだ妊娠できるかも分からないけど。できたときはそういうときなんだよ、平時でもこういうのってタイミングだし」
「……」
「何?」
「僕が言うのもなんだけど、ナマエって本当肝座ってるよね」
「座ってないよ。立ったりウロウロしたりしてるよ。でも、私しかいないんでしょ」
 肝が落ち着かないから、こんなのいくら考えたって無駄な気がしたのだ。だから半ばヤケクソでそう言ったら悟は「はははっ!」と気持ちよく笑った。何がそんなに可笑しいのか分からない。じとっと悟を見れば、悟は私の肩を抱く。大きな手は熱くて、ぐっと力が入ると私の身体はすぐ悟の方に引き寄せられた。悟が嬉しそうに呟く。
「そうだよ、僕にはナマエしかいないんだ」
 そんなことはない。悟にはちゃんと、いろんな人がそばにいる。馬鹿だなぁ、悟は。そういうところが分かっていない。そろそろ分かってもらわないと。
「じゃあ僕と結婚してよ、ナマエ」
 こういうところが本当にまるで分かっていないというのだ。付き合い始めて今までのことを思い返してみれば、こんなポン酢の如くあっさりしたプロポーズが罷り通ってたまるかと心底思った。思ったのに、そんな思いとは裏腹に涙が溢れた。正直もう悟と結婚することなんて、悟からプロポーズをされることなんて、数年前には諦めていたのだ。よっぽどのことが起こらない限り。とどのつまり今の事態はよっぽどだということである。皮肉にもそれが改めて実感できて、嬉しさの涙はすぐ不安の涙に変わった。怖い。怖い。この状況も、子どもを宿すことも、悟の死も。
 悟は私の頭にこつんと自分の頭をぶつけた。泣きじゃくる私をよそに、相変わらず悠長な口調で言う。
「泣かないでよ」
「無理」
「泣かないで」
 どうして「大丈夫」って言ってくれないんだろう。「僕最強だから」って言ってくれないんだろう。
「こんな事態とはいえ、僕は結構嬉しいよ」
 あーあ、こんな事態じゃなかったら、「私もだよ」って可愛く笑って言えたはずなのに。どうしてこの人はそうさせてくれないんだろう。これだから、五条悟は。




これとは別に妊娠したかもしれない夢主と五条悟の下書きがずっとあるんだけど、本当これも解釈の殴り合いでなかなか決着がつかない。もっかい殴り合ってみるか。
そしてメロウ・バイ・メロウの夢主ならこの提案にどう反応するかとか考えるのめちゃくちゃ楽しい。彼女はまためんどくさそうだよね(お前が言うな)
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